子どもの「自分への自信」を育む方法｜大人ができるサポートとは？

前回の記事では、子どもが「能力に対する自信」を失うタイミングと、大人が避けるべき接し方について紹介しました。しかし、子どもの成長において、もう一つ重要な「自信」があります。

それは、「自分自身への自信（自己肯定感）」です。

能力の自信と「自分自身への自信」は違う

「能力に対する自信」とは、勉強やスポーツなど特定のスキルに対する自信ですが、「自分自身への自信」は、自分の存在そのものを肯定できる力のことを指します。これがしっかり育まれていると、たとえ何かに失敗しても「自分には価値がある」と思えるため、すぐに立ち直ることができます。

今回は、子どもが「自分自身への自信」を育むために、大人ができる具体的なサポート方法を紹介します。

☑親や先生の期待に応えられないと感じたとき
☑他人と比較され、自分の価値を低く感じたとき
☑失敗したときに否定的な言葉をかけられたとき
☑自分の考えや感情を受け入れてもらえなかったとき

こうした経験が続くと、「自分はダメな人間だ」と思い込み、自己肯定感が低下してしまいます。

では、どうすれば「自分は大切な存在だ」と感じられるのでしょうか？

子どもが「自分は存在するだけで価値がある」と思えるようにするためには、何かを達成したから褒めるのではなく、存在そのものを肯定することが大切です。

☑こんな声かけをしよう！
「あなたがいてくれるだけで嬉しいよ」
「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」

このような言葉を日常的に伝えることで、子どもは「ありのままの自分を受け入れてもらえている」と実感し、自信につながります。

子どもが不安や悩みを抱えているとき、否定せずにそのまま受け止めることが大切です。

「そんなことで悩まなくていいよ」
「気にしすぎじゃない？」

こうした言葉をかけると、子どもは「自分の気持ちは大切にされないんだ」と思ってしまいます。

☑良い接し方
「そう思ったんだね」「つらかったね」
「どんな気持ちだった？」

子どもの気持ちをそのまま認めることで、「自分の感じ方は間違っていない」と安心し、自己肯定感が高まります。

大きな成功だけでなく、日常の小さな「できた！」を積み重ねることが、自信につながります。

☑こんな声かけをしよう！
「自分から机に向かえたね！」
「自分から挨拶できて偉かったね」

ポイントは、「結果」ではなく「プロセス」を評価することです。小さな努力を認めることで、子どもは「自分にはできる力がある」と感じ、自信を深めていきます。

失敗を過度に恐れる子どもは、「自分には価値がない」と思い込みやすくなります。大切なのは、失敗を「悪いこと」と捉えさせないことです。

「なんでこんなミスをしたの？」
「もっとちゃんとやりなさい！」

こうした言葉をかけると、子どもは「失敗すると怒られる」「ダメな自分は価値がない」と思ってしまいます。

☑良い接し方
「うまくいかなかったね。でもチャレンジしたことがすごいよ！」
「この失敗から何を学べるかな？」

失敗を肯定的に捉えることで、「挑戦すること」が大切だと学び、積極的に行動できるようになります。

☑「存在そのもの」を肯定する言葉をかける
☑子どもの気持ちを否定せずに受け止める
☑小さな成功体験を積み重ねる
☑失敗しても大丈夫だと伝える

子どもが「自分には価値がある」と感じられれば、たとえ何かに失敗しても前向きに立ち直ることができます。大人の何気ない言葉や態度が、子どもの自信を育てる大きな鍵となります。

まずは今日から、**「あなたはそのままで素晴らしい」**というメッセージを伝えてみませんか？