通知表は“評価”ではなく“会話のきっかけ”

1学期の終わりが近づくと、子どもたちは「通知表」という“見えない重荷”を感じ始めます。特に中学生になると、成績は数字や評定で明確に評価され、子どもなりに「自分の価値が決まるようで怖い」と感じることもあります。

実際、学年や性格にもよりますが、「成績どうだったの?」という何気ない一言に強いプレッシャーを感じ、「見せたくない」「聞かれたくない」と思っている子は少なくありません。

数字だけでは測れない子どもの頑張り

通知表に書かれているのは、学校での授業態度や提出物、テスト結果などをもとにした評価です。しかし、そこに現れない努力や成長も、実際にはたくさんあります。

たとえば、前よりも忘れ物をしなくなった、以前より授業中に手を挙げるようになった、友達との関わり方が変わった…。そうした“見えにくい変化”は、子ども自身が「少し頑張ってみよう」と思えたからこそ起きたものです。

通知表の評価が思うようでなくても、そこに目を向けてあげることが、子どもの自己肯定感を支えます。

まずは「どうだった?」よりも「お疲れさま」

通知表を受け取るタイミングで、つい保護者様も結果が気になってしまうものです。でも、子どもが見せたがらない様子だったときは、無理に確認するよりも、まずはこう声をかけてみてください。

「1学期、よく頑張ったね」
「疲れもたまってると思うから、ひとまずゆっくりしようか」

こうした言葉は、「成績がよくないと怒られるかも」と身構えている子どもの緊張をほどきます。そして心が落ち着いたときに、「どんなところが頑張れたと思う?」と振り返りを促すと、自分なりの手応えや課題にも気づけるようになります。

大切なのは「次につなげる視点」

通知表は、あくまで“今の地点”を知るひとつの材料です。

「この教科は苦手かも」「意外とここは頑張れていたんだな」——そんなふうに、自分を見つめ直すきっかけになります。

保護者様からも、「次はここを意識してみようか」と一緒に考える時間を持つことで、通知表が“責めるための道具”ではなく、“前向きな材料”に変わっていきます。

通知表の数字だけに目を向けると、子どもは「評価されること」ばかりを意識するようになります。でも本来大切なのは、「その子が、どんなふうに学び、どんなふうに成長しているか」という視点です。

1学期の終わりは、お子様のがんばりを労い、気持ちに寄り添いながら、次の一歩へとつなげるタイミングです。

通知表を見る前に、まずお子様の表情を、気持ちを、見てあげてくださいね。

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