行動科学で不安を和らげる!子どもが安心できる家庭のつくり方
子どもが「疲れた」と頻繁に口にするようになると、保護者としては心配になるものです。疲れている原因が分からず、どう対応すればよいのか悩むことも多いでしょう。
前回に引き続き、今回も「疲れた」が口癖になってしまった子どもに対して、家庭でできるサポート法を紹介します。特に、子どもの不安や苦しみに寄り添いつつ甘やかしすぎないバランスの取れた対応を考えていきます。
子供が「疲れた」と言う背景を理解する
前回も触れましたが、まず「疲れた」という言葉が子どもにとってどのような意味を持つのかを理解することが重要です。
子どもが本当に体力的に疲れているのか、それとも精神的な負担が大きいのかを見極める必要があります。
勉強や友だち関係、家庭でのプレッシャーなどが原因で、心の中に溜まった不安が「疲れた」という形で表現されることもあります。
「疲れた」と言われた時の適切な対応
子どもが「疲れた」と言った時に保護者が取るべき行動を、細分化してみました。ひとつずつ見ていきましょう。
①まずは寄り添う
子供が疲れたと言ったら、まずは否定せず「そうだね、疲れたんだね」と共感します。これが、子どもの気持ちに寄り添う第一歩です。
②質問する
「何が疲れたの?」と、具体的な原因を探る質問を投げかけます。ただし、子どもが答えられない場合もありますので、無理に問い詰めることは避けましょう。
③休憩を提案する
もし本当に体力的に疲れているようなら、休憩を取らせてあげましょう。5~10分の短い休憩でも、子どもの集中力を取り戻す助けになります。
④目標を立てる
子どもが疲れを理由に物事を放棄しないように、少しずつ達成できる目標を立ててあげることが大切です。「この問題を解いたら休憩しよう」など、短期的なゴールを設定して達成感を味わわせましょう。
⑤褒める
休憩後に何かをやり遂げたら、しっかり褒めてあげます。「よく頑張ったね」と声をかけることで、子どもは自分の行動に自信を持つことができます。
⑥無理をさせない
無理に頑張らせることは逆効果です。体力的・精神的なキャパシティを超える努力は、子どもの自己肯定感を低下させることがあります。休息を大切にしつつ、ペースを守るようにしましょう。
⑦「疲れた」を一度リセット
「疲れた」が続くときは、短時間でも体を動かすことで気分をリフレッシュさせます。軽い運動やストレッチが、リセットに役立ちます。
⑧規則正しい生活習慣を整える
「疲れた」が口癖になってしまう背景には、生活リズムの乱れも影響していることがあります。しっかりとした睡眠とバランスの取れた食事、適度な運動は、子どもの心身の健康をサポートします。
⑨一緒に目標を見直す
子どもの目標が高すぎる場合、プレッシャーに押しつぶされてしまうことがあります。一緒に目標を見直し、達成しやすいレベルに設定し直しましょう。
⑩「疲れた」が出る環境の見直し
もし特定の場所や活動で「疲れた」が頻発する場合、その原因を探りましょう。環境を少し変えてあげるだけで、子どもの気持ちが楽になることもあります。
寄り添いと甘やかしのバランスを取る
子どもの「疲れた」という訴えに寄り添うことは重要ですが、甘やかしすぎることは避けましょう。
保護者として、子どもにどのようになってほしいのか?どんな行動をとってほしいのか?を見失わないようにすることが大切です。
例えば、疲れたということを原因に、すぐにやりたくないことから逃げる習慣がついてしまうと、将来の課題に立ち向かう力が育たなくなってしまいます。
子どもにどうなってほしいのかを考える
子どもがどう成長してほしいのかを明確にしたうえで、日々の対応を見直しましょう。
「疲れた」と言って動かなくなる癖を放置すると、子どもの未来に影響を与えかねません。
小さな目標を達成し続けることで、自信を持ち、自己肯定感が高まる環境を作っていくことが、長期的な成長につながります。
子どもが「疲れた」と言うたびに、親は不安になるかもしれませんが、寄り添いながら適切な対応をすることで、子どもの成長を助けることができます。
甘やかすのではなく、適切な目標設定や褒め方を工夫し、子どもの自己肯定感を高めるサポートを心がけましょう。