時間の使い方を見直して、成績アップした中学生の話

テストが返ってきた翌日の授業後、Aくんがぽつりとつぶやきました。

「思ったより、全然ダメでした……」

その言葉には少しショックを受けた様子がにじんでいました。

Aくんは中学2年生。塾の授業にも真面目に取り組み、宿題もきちんと出してくれる生徒です。

ただ最近、「やっているのに、結果が出ない」と感じている様子がありました。

私はその一言をきっかけに、彼と一緒に“時間の使い方”について話してみることにしました。

時間が「ない」のではなく、「使い方」がもったいない

まず最初に取り組んだのは、自分の一週間の生活を書き出してもらうこと。

学校・部活・塾・家庭学習・自由時間——すべてを時系列で並べてみました。

すると、「帰宅後なんとなくスマホを触っている時間」「塾の後に何もせず過ごしている時間」が意外と多いことに本人も驚いていました。

私自身、これまで多くの生徒を見てきましたが、「時間が足りない」と言っている生徒ほど、使い方を意識していない傾向があります。Aくんもその一人でした。

小さなルールで時間が味方になる

そこからAくんは、自分の生活に“ちょっとしたルール”を取り入れ始めました。

たとえば、塾の宿題はその日のうちに終わらせる。スマホは夜の30分だけにする。自由時間には「今日は何をするか」をメモに書いてから動く。

やることはシンプルですが、時間の流れに自分の意思を通すだけで、行動の質がぐっと上がりました。

塾の授業でも以前より集中力が増し、復習の質問を持ってくるようになったのも、この時期からです。

日々の姿から、「あ、今Aくんの中で何かが変わってきているな」と私たち講師も感じていました。

点数よりも大きな“手ごたえ”

そして迎えた次の定期テスト。Aくんは、合計で78点のアップを果たしました。

もちろん数字としての成果も大切ですが、私が何よりうれしかったのは、本人が「自分でやり方を変えたことで結果が変わった」という手ごたえを感じていたことです。

「やれば変われるって、ほんとにあるんですね」

そう話してくれたAくんの表情には、自信と落ち着きがありました。

今では毎週日曜日、10分だけでも「自分の時間の使い方」を振り返る時間をつくっているそうです。

時間の使い方を変えたことで、学力だけでなく、自分への信頼感までも育った——Aくんの姿は、私たちにとっても大きな励みになっています。

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