受験生の12月:後悔しない冬休みの過ごし方
子どもが不安を感じる時、親としてどのように接したら良いのか悩むことは多いでしょう。
今回は、行動科学を使って、子どもの不安を和らげる方法を科学的な視点からご紹介します。
特に小中学生の子どもをもつ保護者の方が、すぐに実践できることを中心に、子どもの心に寄り添いながら不安を和らげる方法を考えていきます。
なぜ人は不安を感じるのか? ー 行動科学の視点から
不安は人間にとって自然な感情です。
人は、環境や社会的な状況が変わる時に、未知のリスクを予測し、身を守るために不安を感じます。
子どもたちも同じで、新しい学校生活や友人関係、勉強のプレッシャーが不安の引き金となることがよくあります。
行動科学によれば、不安やストレスは脳が「危険」を察知した時に発生する反応です。
この反応は一時的には役立つものですが、過剰に感じると、子どもは必要な行動までも実行することが難しくなります。
したがって、適切に不安をコントロールするためのサポートが必要です。
行動科学を活かした不安の和らげ方
行動科学を使えば、感情論に流されず、科学的根拠に基づいた方法で子どもの不安に対応することを目指すことが出来ます。具体的な方法は以下通りです。
(1) 小さな成功体験を積ませる
不安を抱えた子どもは「できない」という感覚を持ちやすく、その結果ますます不安が増幅します。
行動科学では、「小さな成功体験を積み重ねることで自己効力感を高め、不安を軽減する」という視点でサポートの方法を考えることができます。
たとえば、勉強に不安を感じる場合、簡単な課題や短時間の学習をクリアさせ、成功体験を意識的に作ることで、少しずつ「できる」という感覚を育てます。
(2) 行動を具体的に評価する
親は「もっと頑張りなさい」「しっかりしなさい」といった抽象的な指示をしがちですが、これでは子どもは何をどうすれば良いのか分かりません。
行動科学では、「具体的な行動を評価する」ことが大切とされています。
たとえば、「毎日10分でも宿題に取り組んでいることは素晴らしいよ」と、子どもの行動そのものを認めてあげることが大切です。
これにより、子どもは次に何をすべきかが明確になり、不安の気持ちが軽減されます。
(3) 安全な環境を整える
不安は、環境からの刺激に大きく影響されます。
行動科学に基づき、家庭環境を安定させ、子どもが「安心して取り組める場所」を提供することが重要です。
例えば、一定のリズムで家庭内のルールを守り、親自身が冷静であることで、子どもに安心感を与えられます。
感情論に流されず、冷静に行動を選択する
行動科学が強調するのは、感情に任せた対応ではなく、科学的根拠に基づいた論理的なアプローチです。
子どもの不安に直面した時、親自身も冷静さを保ち、子どもが実際に何を必要としているのかを見極めることが大切です。
「不安だからかわいそう」という感情だけで接するのではなく、「不安を和らげるためにどういう行動が有効か」を考え、適切なサポートを提供しましょう。