中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
前回の“アクティブ・ラーニングはいつ始まった?どんな学習?”をご覧になって「なんか良さそう!」「メリットがたくさんある!」「もっと積極的に行えば良いのでは?」といった意見を持った方も多いのではないでしょうか。
しかし、アクティブ・ラーニングには注意点もあります。
主体的な態度が形式化する
アクティブ・ラーニングの注意点として、主体的な態度が形式化する点が挙げられます。
たとえば「〇〇中学校の〇年生は、地域のフィールドワークを行うことになった。そこでは、生徒たちが主体となって、訪問先の施設の人に質問したり、見学したりする」
これはアクティブ・ラーニングですが「アクティブ・ラーニングの授業を行えば、生徒は主体的に学ぶ、学んでいる」というような錯覚に陥ってしまいます。
主体性を測る基準が“フィールドワーク”であったり“質問”“発言”であったりの「形式」とされてしまって、生徒にそういった態度をとらせることがアクティブ・ラーニングであるといった誤解が生じてしまうのです。
これでは形だけを繕うことになりますので、本当の意味で自主的・積極的に学習しているとはいえません。
学びを妨げる根本が改善されないままである
アクティブ・ラーニングの注意点のもう一つは「学びを妨げる根本が改善されないままであること」です。
主体的な学びを妨げている原因の
- 勉強嫌い・勉強に対する苦手意識
- 学習意欲のなさ
といった根本が改善されないままに、自主的・積極的に授業に参加している態度を取らせていると、アクティブ・ラーニングに良い効果があるとは思えませんよね。
言葉は悪いかと思いますが、指導する側が生徒にアクティブさを演じるように仕組むような指導=アクティブ・ラーニングのようになってしまうのです。
それだと、指導する側の自己満足でしかありません。
こういったパターンでは「アクティブ・ラーニングを取り入れたけど、全然盛り上がらなかった・思うように理解が深まらなかった」という結果で終わってしまうのです。
アクティブ・ラーニングを取り入れて学習を行えば、それだけで自主性や積極性、思考力やコミュニケーション能力が養えるわけではないのがお分かりいただけたかと思います。
次回はアクティブ・ラーニングが「古い」といわれる理由や今後注目される指導法についてお話ししていきます。