受験生の12月:後悔しない冬休みの過ごし方
「うちの子は連休中ゲームばかりで。。」「勉強しなさいって何度言っても勉強しないんです。。」「受験生なのにこのままじゃ心配で。。」
毎年この時期になると、受験生の親御さんのこんな悩みを良く耳にします。
共に過ごす時間が増えた連休を機に、子どもが自分から受験勉強をするように声掛けを行っていきたいと思う親御さんが多いです。
とはいえ、自ら受験勉強を行う子になってもらうためには、どのような声掛けが効果的なのでしょうか。
残念ながら、一言声をかければたちまち自ら勉強するようになるような、魔法の言葉はありません。そのため、親も根気強い声掛けが必要になってくるのです。
メリハリをつけて褒める
自ら進んで受験勉強ができる子になるためには、勉強する意欲を引き出す工夫が大切です。
小学生であれば行動したことに対して大げさに褒めるような声掛けで良いのですが、中学3年生、受験生の場合は思春期もありますし、話が少し別です。
褒め方に強弱の変化をつけて“努力に見合った対価”にしていく必要があります。
このときに注意してほしいのが、褒めるのはあくまでも「行動」についてであって、「結果」を褒めるのではないということです。
×「80点もとれてすごいね」
〇「今日は頑張って勉強したね」「一生懸命にやっているのを知っているよ」
内発的動機を教える
内発的動機とは、自分の気持ち(内面)から湧き上がる興味や関心、意欲や向上心などが行動を起こす原因を指します。
そのためにも、目標について改めて考えてみましょう。
年間の計画を立てていない子、受験勉強を本格的に始めていない子にとって、目標となる地点はどこでしょうか。
きっと「受験」が目標になってしまっているのではないかと思います。そうなると、目標が遠すぎて達成感も得られず、意欲がわきません。
そのため「まずはここを目指そう」と、スモールゴールを示すような声掛けを行っていきましょう。
スモールゴールを達成するごとに子どもは達成感を得られ「もっとできるようになりたい」といった内発的動機で行動できるようになります。
人ではなく、行動を比較する
「もっと頑張ろう」と子どもに思ってもらうためには、上手に比較を使いましょう。
人と比べるのはやる気を削いでしまう原因ですのでNGですが、過去の子どもと比べるのは有効な手段の一つです。
ポイントは「努力した分だけ、今の自分のほうが勝っている」と子どもが思えるような声掛けをすることです。
そのため「2年生のときよりも勉強に集中できるようになったね」のような過去の行動と今の行動を比較するような声掛けをしていきましょう。
家庭では兄弟と比べられがちですが、兄弟と比較するのも軽率に行うのは望ましくありません。「お姉ちゃんはワークをたくさんやったから数学が得意になったんだよ」といった“本人ができていない行動を教えてあげる”のみにとどめましょう。
参考
大和書房:気づいたらうちの子…勉強してる! 行動科学で勉強習慣をつける. 石田淳. 2019.