中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
前回は、自己効力感はどのようなものかについてお話ししました。今回は、受験生のみなさんだからこそ出来る、自己効力感を高める効果的な方法についてご紹介します。
達成してきたことを見直す
前回、自己効力感に影響する要素の一つとして「遂行行動の達成(過去の達成経験)」があげられるというお話をしました。
「授業では理解出来なかったことがわかるようになった」、「練習していたことが出来るようになった」など、「努力の結果、何かを達成した」という体験を通じて、自己効力感は高めることが出来ます。
- 今までのテストの結果を見て点数の伸びを確認する
- 自主勉強したノートを広げて、正答率が上がっていることを確認する
などで、今まで達成してきたことを再確認出来るでしょう。
周囲に話を聞いてみる
「遂行行動の達成(過去の達成経験)」の他に、「代理的経験」も自己効力感に影響しています。
これは「他の人の成功体験を自分のことのように感じること」を言います。
例えば、
- 数学が得意な友人にどのように勉強しているか聞いてみる
- 受験を経験した兄姉やご両親にどのように受験対策していたかを尋ねてみる
など、身近な人に話を聞いてみましょう。
成功をイメージ出来るような話を聞くことで、「自分も出来るかも!」と思うことが出来るはずです。
声かけを思い出す
人からかけてもらった言葉からも、自己効力感を高めることが出来ます。
今まで周囲からかけてもらった言葉を思い返してみましょう。
「きみなら成功するよ」「前よりも出来るようになっているね」などの前向きな言葉から、力をもらうことが出来るでしょう。
声かけと併せて、その時頑張ったことも一緒に確認すると、より強く自己効力感を高めることが出来ます。
いかがでしたか。
今回の話を参考にして、自己効力感を高める方法を試してみてください。
受験が不安なのは誰にでもある感情です。
不安になっていることに不安になる必要はありません。
自分ならきっと乗り越えられると信じて、一緒に頑張っていきましょう。
◎参照
日本キャリア教育学会 研究推進委員会「「自己効力感」を用いた研究をはじめよう」資料
戸田 美幸(2018)「母性看護学実習において看護学生の自己効力感に影響を与える要因(文献レビュー)」『聖泉看護学研究 Seisen J. Nurs. Stud., Vol. 7. pp.41-46, 2018』