中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
こんにちは、個人指導専門塾の坂口です。
前回、子どもの学習における無気力状態について、有名な実験を参考にお話ししました。
(まだご覧になってない方はこちらをご覧ください。→「子どもがどんどん勉強しなくなってしまう科学的根拠とは?」
今回はその続きとして、「どうすれば子どもが無気力状態にならずに自主的に勉強するのか」についてお話します。
よく子どもに勉強して欲しい時に、親が口にする言葉として耳にするのは
「勉強やりなさい。」「宿題やったの。」
など、漠然と「勉強」「宿題」の単語を使うものです。
ですが、これでは「勉強、宿題=やらされるモノ」になってしまいます。
勉強に限らず、何事もやらされるというのは嫌なものです。
大人でも、仕事や家事、人付き合いのあらゆる場面で「やらされることで嫌になってしまった作業や役割」という経験があると思います。
では、子どもに「勉強をやらされている」と思われないためにはどのように接したら良いのでしょうか。
1、習慣になる前は難しいことをやらないようにさせる
同じ勉強でも得意な科目と苦手な科目であれば、得意な科目の方がやりやすいでしょう。
どれだけ優しく声をかけてもらっても、解くのは到底無理な問題を提案されると、やはり「やらされている感」を感じてしまいます。
そのような問題はもう少し子どもの自主性が身についてからの方が良いでしょう。
まずは、その子にとってハードルの低い問題を用意してあげましょう。
用意といってもそこまで大げさなことをする必要はありません。
「今日学校でやった教科書の問題を1問」とか「漢字ドリルの漢字を1ページ分書き取り」とか・・・。
やりやすいものを提案して「やらされている感」を低減し、少しずつ家庭学習に慣れさせましょう。
2、伝え方を気をつける
一番いけないのは感情的に怒っているように聞こえる伝え方です。
キンキンした声で言ったり、ため息混じりに呆れたような声色で言ったりすると、言った方はそんなつもりがなくても「怒っている」と思われてしまいます。
怒っている人の言い方は、高圧的で、命令しているように聞こえたり一方的に言っているように聞こえたりします。
そうすると子どもは「やらされている・・・」と感じてしまいます。
勉強をやろうとしない子どもに怒ってしまいそうになっても、それを声にのせないようにしようと冷静になるだけで言い方は変わります。
また、どんなことを言ってあげると良いかについては、
例えば「テストまであと○日だから、頑張ろうよ」と具体的な数字で説得力を持たせたり、
「分かる問題からでいいから取り組んでみよう。」とハードルを下げて提案すると良いでしょう。
取り組み始めたら、「良いね、その調子で分かる問題を増やしていこうね。」など、勉強していることに対して褒めてあげましょう。
伝え方一つで物事は変化していきます。
子どもの気持ちを動かそうとした時、「〜しなさい」という言い方では、喧嘩になってしまうこともあります。
子どもへの気持ちが熱心であるほど、そのような言い方になってしまうのはよくわかります。
ですが、より子どもが勉強に取り組み始めやすいように、言葉で良い方向に誘導してあげることが大切です。
勉強も、やり方を知って行動しなければ結果はついてきませんが、
親の声かけでも同じことが言えます。
もしわからなくなったら、「自分が仕事の上司にこんな言い方をされたら嫌だった」とか「昔、大人にこんな言い方をされて嫌な気持ちになった」などのエピソードを思い出してみてください。
子どもに対する声かけのヒントがたくさんあるかもしれませんよ。