受験生の12月:後悔しない冬休みの過ごし方
前回は、コミュニケーション能力の大切さをお話ししました。
今回は、対人場面が不安な子に向けて、コミュニケーションに関する自己肯定感の高め方をお話ししたいと思います。
どうしても上手に伝えられない
自己肯定感の低い人は、自分に自信がなく不安が大きいです。
また「自分はどう思われているんだろう」といったことばかりが気になってしまいます。
そのため、自分の気持ちや考えを上手く伝えられないのです。
一方、自己肯定感が高い人は、自分に自信があり人の目を気にせずに自分自身を表現することができます。
このように、自己肯定感とコミュニケーション能力には大きなつながりがあります。
子どもの目を見て話を聞く
受け入れられる、認められる、と思うと、お子様の自己肯定感が高まります。
忙しいとついつい何かをしながら子どもの話を聞いてしまうかと思いますが、家事をしていても、お子様の目を見ながら話を聞くようにしましょう。
目を見ながら話を聞いてもらえると、お子様は自分が受け入れられていると感じます。
さらに「〇さんに△と伝えられたのはえらいね」など、タイミングがあれば、お友達とのコミュニケーションを褒めてあげると良いでしょう。
リフレクティブ・リスニング
「リフレクティブ・リスニング」といって、話をしている相手に安心感を与えたり「受け入れられた」と感じさせる話の聞き方があります。
分かりやすく言うと「オウム返し」のことです。
具体例を挙げると「今日の昼休みは〇〇くんと外でサッカーをした」といったお子様の話に対して「今日は外で○○くんとサッカーをしたのね」と伝えることです。
細かくすべてオウム返ししなくても「今日はサッカーしたのね」といったポイントだけ拾って伝えても効果は同じ。
「伝わった」「聞いてもらえた」そうお子様が思うことで、自己肯定感も高まっていきます。
自分に対してネガティブな言葉を使わない
日本では謙遜が美得とされています。しかし、この謙遜が自己肯定感を低くしてしまっているかもしれません。
謙遜がいきすぎると自虐につながり、自分に対してネガティブな言葉を使うことで自分に自信が持てなくなってしまうのです。
もちろん、親御さん自身も自分やお子様の謙遜をするのはNG。また、お子様の短所を指摘するような言葉も避けましょう。
たとえば、親子で誰かに会ったときに、お子様の声が小さかったり上手く話せない場面があったとします。
親御さんはフォローするような気持ちで「うちの子、人見知りなんです」と話しますが、本当にそうだったとしても、これは厳禁。
それを聞いていたお子様は「自分は人見知りなんだ」と思い、対人場面での自信がなくなってしまうのです。
自己肯定感は一朝一夕で高まるものではありません。
「自分の話を聞いてもらえる」「認められる」「どんなことを話しても、自分は自分のままで良いんだ」そう思えるような経験の繰り返しが、コミュニケーションに関する自己肯定感を高めていきます。
根気強い取り組みが必要ですが、お子様のコミュニケーション能力を育てるために自己肯定感を高めていきましょう。