行動科学で不安を和らげる!子どもが安心できる家庭のつくり方
前回は普通科改革について、その背景と新しい学科の特徴をお話ししました。
普通科改革のざっくりとしたイメージが掴めたのではないでしょうか。
今回はさらに深く踏み込んで、今後の展開や今の小中学生への影響についてお話ししていきたいと思います。
今後の展開はどうなる?
普通科のなかに新たな学科が設置できるようになる「普通科改革」。
今後、どのように展開していくと考えられるのでしょうか。
文部科学省が考える、学校設定科目の例を挙げてみます。
- 社会科学研究(社会科学的な考えで経済活動を読み解く。現代社会の特質や課題について認識を深めて、社会課題の解決策を提案)
- クリティカルシンキング(抽象語の理解、複数の立場から論じられる文章の解読を通し、多面的・総合的に考える能力や自分の考えを適切に表現する能力を育成)
- グローバル探求(データに基づく論理的思考・調査手法等の研究手法を学ぶ。グローバルな社会課題についてSDGsの達成に向けた研究活動を実施)
- 地域学(地域の現状や歴史を知り、課題やニーズを把握。情報整理・活用し課題を明確化、行政・地域・福祉施設等との協議を通して具体的な解決策を提案。交渉力やコミュニケーション能力を育成)
上記は、新たな学科として考えられる一例です。
今後は、SDGsやsociety5.0といった、今後の課題にも対応できる人材を育成するために、多種多様な学科が設置されることが考えられます。
また、それぞれの学校が魅力ある学科を設置することで、楽しさを感じ活力ある高校生活を送れる子が増えるでしょう。
今の小中学生への影響とは?
普通科改革が行われることで、今の小学生・中学生にはメリットもデメリットもあります。
メリットとしては、特色ある学科をそれぞれの高校が設置することで、お子様の「学びたい」といった意欲を引き出します。
それぞれの子に合った学び・それぞれの子が魅力を感じる学びを行うことができ、進学・就職の進路へも今よりスムーズに進めることが考えられます。
お子様の特性を活かし可能性を最大限に広げながら、社会で活躍する人材へと成長できるメリットがあります。
デメリットとしては、人気の学科がある高校の受験倍率は高くなることが考えられます。
高校入試の難易度が変わる可能性が十分にあるのです。
高校入試にはもちろん学力も必要ですが、学力(偏差値)だけでなく、それぞれの特色で高校を選ぶ時代がやってきます。
そこで受験勉強自体も、少しずつ変わっていくことが考えられます。
普通科改革にどう対応する?
とくに、現在中学生のお子様たちは、過渡期に高校入学となる可能性が高いです。
高校入学後に新たな学科が設置されるケースもあれば、学科設置直後に入学して学校側としても模索中の授業なるケースもあるかと思います。
2022年度から設置可能な新しい学科ですが、その設置はそれぞれの高校にゆだねられているので、「よーいドン!」ですべての普通科に新しい学科が設置されるわけではなく、時期も異なります。
そのため、先ほどのようなことが起こるのです。
小・中学生は高校の志望校選びにあたって「自分の学びたいことはなにか?」「学校の特色はどのようなものか?」に注目する必要があります。
日頃の自主学習や受験勉強ももちろん大切ですが、小・中学生のお子様たちには「自分の好きなこと」「得意なこと」「もっと学びたいと思えること」「自分の特性を活かせる職業は?」などを意識していただきたいと思います。
将来それぞれのお子様が、希望と気力に溢れた高校生活を送り、自分らしく社会で輝く人となれるように、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。