中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
ふとした言葉でやる気になって部活動に打ち込むことが出来たり、反対に落ち込んでしまって勉強に集中出来なくなったりすることはありませんか。
心の中でつぶやく言葉は、実際のパフォーマンスにも影響しています。
今回は、心の中で繰り広げられる言葉の影響についてご紹介します。
言葉が与える影響
皆さんも何気ない言葉に勇気をもらったり、ちょっとした言葉に傷ついてしまったり…という経験ありますよね。
同じことを指摘するにしても、ネガティブに言うかポジティブに言うかで印象は全く異なります。
例えば、「こういうところがダメだ」と言われるより、「こうするともっと良くなる」と言われたほうが、すんなり耳を傾けることが出来ますよね。
その後の行動も、きっと変わってくるはずです。言葉は、自分自身で思っているよりも、私たちの身体や行動に大きな影響を与えていると言えます。
ネガティブな言葉の影響
心の中でネガティブな言葉ばかりをつぶやいているとどうなるでしょうか。
ある研究によると、本当はまだ数学が嫌いになっていないのに、授業についていけなくなるのではという不安から「数学が嫌いだ」という生徒がいたそうです。
するとどういうことが起こるのか。
なんと「自分は数学が嫌いだから」という自己暗示にかかってしまい、どんどん数学を勉強しなくなってしまうのです。
勉強していないので、どんどん成績も下がってしまい、「どうせわからないから」とやる気も起きず、悪循環に陥ってしまいます。
このように、ネガティブな言葉を心の中でつぶやいていると、実際の行動に悪い影響を与えてしまうのです。
ポジティブな言葉の影響
では、どんな言葉だったら、実際のパフォーマンスに良い影響を与えてくれるのでしょうか。
もし何かうまくいかないことがあったとしたら、「まだまだ伸びしろがある」「これから成長出来る」など、自分の可能性を信じるような言葉をつぶやいてみましょう。
何かに成功したときには「前よりも良くなっている」「よく頑張っている」と、自分の努力や成長を褒めてあげてくださいね。
いかがでしたか。
ポジティブな言葉を使ったり、ポジティブに考えることで行動が変わってきます。
物事を前向きに捉えて、パフォーマンスに反映させていきましょう。
◎参照
石川 高揮・立花 正男(2019)「学習意欲が低い生徒も学びに向かえる授業の構成−中学生における数学嫌いの要因を基に−」『岩手大学大学院教育学研究科研究年報 第 3 巻(2019.3) 125−135』
内田昭利・守一雄(2015)「潜在連想テストによる「偽装数学嫌い」中学生の検出と対策」.『数学教育学論究』
矢澤 久史(2017)「言葉かけがやる気に及ぼす効果に関する指導者と選手の認知の違い」『名古屋短期大学研究紀要 第55号 2017』