受験生の親子が描いた小さな成功の道筋:具体的な目標が未来を変えた
令和時代の日本型学校教育について、今回は新学習指導要領の実施を中心に解説していきます。
中央教育審議会は2021年1月の答申で、従来の日本型学校教育が直面する課題を解決し、さらに発展させていくための取り組みのひとつとして、新学習指導要領を着実に実施していくことを挙げています。
これにより、子どもたちの学びはどのように変化するのでしょうか。
「何を学ぶか」と「どのように学ぶか」
新学習指導要領では、加速度的に進展していくグローバル化や情報化に対応していくことができるよう、外国語教育やプログラミング教育などの充実を図ります。
これらの動きは、知識や技能を身につけるだけでなく、自分たちを取り巻くさまざまな社会の課題に向き合い、解決する力を育むことも目標のひとつとしています。
そのため「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」も重視されるのです。
協働的な学びの充実
前回お話した「個別最適な学び」は、ともすると「孤立した学び」になってしまう可能性を含んでいます。
個々の興味・関心・意欲を踏まえ、子どもの特性や学習進度に応じた指導・支援をしていくことは重要ですが、同時に協働的な学びを充実させることも大切です。
探究的な学習や体験学習などを通じて他者と関わる中で、他者を価値ある存在として尊重し、さまざまな社会的変化を乗り越える力が育まれていきます。
また、集団の中で個の力が埋没してしまうことのないよう、一人一人の良い点や可能性を伸ばすことで、異なる考え方が組み合わさり、より良い学びを生み出すのです。
三つの視点の重視
協働的な学びを充実させるために、新学習指導要領では三つの視点を重視しています。
ひとつ目は、学ぶことに興味や関心を持ち、自分の進路に関連付けながら次につなげるような学びになっているかという「主体的な学び」の視点。
ふたつ目は、子どもたちが目標を共有し、協力したり教師や地域の人と関わる中で、自分の考えを広め深めることができているかという「対話的な学び」の視点。
そして、各教科で学んだ考え方を相互に関連付け、自分なりに課題を見出し解答を導き出せるような学びになっているかという「深い学び」の視点。
これら三つの視点におけるそれぞれの学びを充実させることで、より良い授業を実現していこうというのが、新学習指導要領を着実に実施することであり、令和時代の日本型学校教育なのです。
◎参照
文部科学省「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)【概要】」https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf
政府広報オンライン「2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート!」https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html