家庭で増える“言葉のすれ違い”を防ぐ方法

7月から8月にかけての夏休みは、中学3年生にとって「受験の天王山」と言われる大切な時期です。
保護者様も、「何をしてあげればいいのか」「どう関わればよいのか」と戸惑うことが増えてくる頃ではないでしょうか。
前回は、7月に保護者様が感じやすい不安についてご紹介しました。今回はその続きとして、「ではこの夏、保護者様がどんな行動を取ればよいのか」を3つの視点から具体的にお伝えします。

「早く勉強しなさい」という言葉は、子どもにとってプレッシャーになってしまうことがあります。
それよりも、「今日は何から始めようか?」「今、どの教科をやろうとしているの?」といった問いかけに変えることで、子ども自身が“考えて動く”きっかけをつくることができます。
また、「一緒にタイマーかけようか」「終わったら教えてね」と、声かけに小さな行動を添えるのも効果的です。
行動を促すための関わりは、強い言葉ではなく、穏やかな“後押し”で十分なのです。

夏は毎日の積み重ねがものを言います。
勉強の内容だけでなく、「いつ始めるか」「どれくらい続けられるか」という行動習慣が定着しているかどうかが、秋以降の成績に大きく影響してきます。
ここで保護者様にできるのは、子どもの行動にきちんと気づいてあげること。
「毎日続いてるね」「昨日より早く始められたね」などの声かけは、それだけでモチベーションの維持に繋がります。
大きな成果を待つのではなく、小さな変化や努力を“見える化”して伝える。
これは、子どもにとって「ちゃんと進んでいる自分」を実感する貴重な機会になります。

模試が増えるこの時期、点数や偏差値ばかりに目がいきがちですが、大切なのは「模試をどう使うか」です。受験において模試はゴールではなく、“点検と調整”のチャンス。
「この単元はよくできていたね」「ここは次にもう一度復習しよう」と、できたことと課題をセットで確認することで、子どもの行動にも変化が生まれます。
模試のたびに褒めたり叱ったりするのではなく、「何をやって、どうだったのか」を一緒に振り返る姿勢が、次の行動へとつながっていきます。

受験はマラソンのような長い道のりです。保護者様の役割は、ゴールへ向かって引っ張ることではなく、水を渡し、背中を支え、子どもが自分のペースで走れるように見守ることです。
「ちゃんと見てるよ」「進んでるね」といった声がけは、子どもにとっての安心材料になります。
無理に前に出て導くのではなく、少し後ろから支える“安心できる後ろ盾”であることが、夏の最大のサポートになるのです。
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