中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
前回は、自己肯定感の3つの概念と褒めることで勉強に関する自己肯定感が高まることをお話ししました。
今回は、具体的にどのようにアプローチをすれば、勉強に関する自己肯定感を高められるのかをお話ししたいと思います。
まだ読んでない方はこちらも合わせてご覧ください。勉強に関する自己肯定感の高め方~自己肯定感の3つの概念~
結果ではなく過程を褒める
その子の努力した成果が保護者・先生に褒められる、認められる機会を増やすようにしましょう。
“成果”というと、結果のような気がしてしまいますが、褒めるべきは結果ではなく「努力した過程」です。
子どもの勉強を見るときに、どうしてもテストの点数や通知表の成績に目がいきがちですよね。
しかし、成績ではなくお子様が努力した行動に対して褒めるようにしましょう。
「頑張って勉強したね」「努力していてえらいと思うよ」などの声掛けを頻繁に行えると良いですね。
くらべるのは他人ではなく過去の自分
自分と他人をくらべてしまう子に「他人とくらべない!」と言っても、やはりくらべてしまうものです。
お子様が「〇〇くんよりも成績が低い」「みんなよりも自分はできない」と落ち込んでしまっていたら、親御さんは“過去のお子様”とくらべて褒めてあげてください。
「前よりも勉強に集中して取り組めるようになったね」「去年よりも努力しているよね。お母さんは、すごいなって感心しているよ」など、過去のお子様とくらべるような声掛けができると、お子様も次第にくらべる対象が過去の自分になります。
長所・短所は人それぞれ。すべて含めたあなたが素晴らしい
参議院常任委員会調査室・特別調査室の子供たちの自己高低感を育むでは、
- 「他者評価等に基づく自己肯定感」において肯定させるのは自分自身の長所のみ。
- 一方「自己受容に基づく自己肯定感」と「絶対的な自己肯定感」は長所も短所も含めて受容することで自己肯定感が育まれる。
としています。
では、勉強が得意ではない子・他人とくらべて落ち込んでしまう子は、勉強に関する自己肯定感を高められないのでしょうか。
答えはNOです。
自己肯定感には3つの概念がありますが「全てバラバラのもの」ではありません。
自己受容に基づく自己肯定感や絶対的な自己肯定感が高い子は、勉強に関する自己肯定感も引き上げられていきます。
「長所・短所は人それぞれ。あなたには〇〇な良い所があるよね。その良い所を伸ばしながら、苦手な勉強にも努力するあなた自身が素晴らしいんだよ。」
といったことをお子様に伝えるようにしましょう。
勉強ができなくても、運動が得意な子、思いやりのある子、クリエイティブなことが得意な子、いつも元気な子・・・それぞれに良いところがあります。
そこを褒めながら、お子様がした“勉強への努力”を意識的に認めてあげてください。
親御さんに認められている、努力すれば褒められる、と思うと、お子様の勉強に取り組む意欲が増します。勉強が楽しいと思えるような子になっていきます。
そして当然ですが、努力すれば必ず伸びていきます。
当塾塾長の著書『子どもを伸ばす技術』では、家庭でできる自己肯定感の高め方について具体的に掲載していますので、ぜひご一読いただければと思います。
また、自己肯定感が高く何にでも挑戦できる子になるように、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。