中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
前回は、なくしたい悪い習慣「過剰行動」と、身につけたい良い習慣「不足行動」について、どちらもコントロールができるとお話しました。
では、その方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は、悪い習慣(過剰行動)をなくす方法をいくつかお話したいと思います。
悪い習慣を分析する(可視化)
まずは、なくしたい悪い習慣を分析してみましょう。
具体的な分析方法は、その習慣による「利益」と「損失」を書き出すことです。
ゲームを30分以上することを例に考えてみましょう。
利益
・楽しい
・友達との話題が作れる
・レベルアップできる(友達に自慢できる)
損失
・親に怒られる
・成績が上がらない(むしろ下がるかも)
・時間を費やす
利益よりも損失のほうが大きい気がしませんか。
悪い習慣をなくすためには「このまま続けてもメリットが少ないな」「このまま続けたらマズイことになるな」と自覚することが大切です。
目標を紙に書き出す(言語化)
つづいて、悪い習慣をなくす目標を紙に書き出してみましょう。
「30分以上ゲームをしない」「宿題が終わるまで漫画を読まない」
すぐに思いつく目標は、こんな感じでしょうか。
悪い習慣を“なくす”ことに意識がいくので「○○しない」という目標になりがちですが、紙に書き出すときは、肯定文で書くのがおすすめです。
- 決めた時間以上にゲームをしたくなったら、ワークの問題を5つ解く
- 漫画を読みたくなったら、宿題をする
- スマホを見たくなったら、親にスマホを預ける
このように、「〇〇する」といった形で目標をたてるようにしましょう。
「ワークの問題を5つ解く」「宿題をする」「親にスマホを預ける」のほうに意識が向くので、より達成しやすくなります。
レコーディング
悪い習慣の利益と損失が分かり、目標を肯定文で書くことができたら、つぎは記録(レコーディング)をおこないます。
具体的には、何時から何時までゲームをしたのか「ゲームをした時間」を棒グラフなどで記録していくことです。
そして、やってもいいと決めている時間(例えば30分間)には、青で印を。余分にやってしまった時間には、赤で印をつけていきます。
そうすると「こんなに時間をオーバーしてしまっているのか…」と気づくはず。
それによって、罪悪感を覚えると思います。この罪悪感を利用して悪い習慣をなくします。
また、悪い習慣がなければ(ゲーム時間を守っていれば)、記録する必要はありません。
記録することを面倒だと感じる気持ちも、悪い習慣へのブレーキとなります。