受験生の12月:後悔しない冬休みの過ごし方
前回・前々回と、STEAM教育についてお話ししてきました。
これからの社会で重要な教育ですが、まだ日本では周知されておらず、環境整備もじゅうぶんではありません。
そんななかで、家庭で取り入れられるSTEAM教育があれば、お子様の可能性を引き出して特性を伸ばすことができますよね。
今回は、家庭でできるSTEAM教育について、一緒に考えてみましょう。
身構えないこと
「STEAM教育」の言葉の雰囲気から、「なんだか難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
また、STEAM教育をお子様に受けさせるには「高額な教材を購入しなきゃいけない?」「STEAM教育のスクールに通わせる必要がある?」など、費用面での負担が気になる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
たしかに、プログラミングスクールに通うのであれば、STEAM教育の一つを実践できます。
しかし、日常の些細なことからもSTEAM教育に繋げることは可能です。
なぜ?どうしたら?⇒考える⇒実践してみる
S・T・E・A・Mのすべての分野を組み合わせて学ぶ必要はありません。
「何かを知る(探求する)⇒新たなものを作る(創造)」これがSTEAM教育の本質です。
STEAM教育の特徴は「手と頭を動かす」こと。
「うちの子にもSTEAM教育をするぞ!」と意気込む必要はありません。
お子様の「なぜ?」「どうして?」「どうしたら?」といった日常の疑問を、STEAM教育につなげればいいのです。
家庭でのSTEAM教育は「身近なものに目を向けて探求していく⇒解決またはさらに良くする方法を考える」ということを意識しましょう。
身近なものでSTEAM教育を
たとえば「有名な画家の歴史を調べて知る⇒自分なりに絵を描く」というのもSTEAM教育です(実際にアメリカでは、このようなSTEAM教育がなされています)。
また、家族旅行に行く機会があれば、旅行プランをお子様に立ててもらってもいいでしょう。
目的地までの所要や自宅からどのくらいの距離があるのか、などを調べて計画を立てる⇒行動するというのは「筋道を立てて考えて行動する」といえるので、理論的思考を実践していることになります。
理論的思考はプログラミングとも共通しています。
さらに、地震などのニュースを見たときに「どうしたら地震がきても揺れない(揺れを軽減できる)家が作れる?」と聞いてみるのもおすすめです。
そして、実際に段ボール・紙コップ・ボールなどを使って、地震がきても揺れない装置を作ってみられるとさらに良いです。
この「考えて⇒作ってみる」は、立派なSTEAM教育。
お子様の主体性を引き出し、考える力や問題を解決する力を伸ばします。
創造した結果、失敗したのなら「なぜ失敗したのか?どうすれば成功するのか?」と振り返ることも大切です。先ほどは見えなかった部分が見えてきたり、違う視点から物事を捉える力も養えます。
親子で楽しみながらSTEAM教育を
家庭でできるSTEAM教育をさらに分かりやすくいえば、小学校の長期休暇の課題として挑戦する「自由研究や工作」のようなものです。
Eテレ(NHK)の番組『ピタゴラスイッチ』のピタゴラ装置を作るのも、STEAM教育といえます。
親御さんには、子どもから何か質問を受けたときにすぐ答えるのではなくて「どうしてだと思う?」「じゃあ試してみようか」「一緒にやってみようか」と自分で考える力や挑戦する意欲を引き出してあげていただきたいと思います。
そして、本人のペースに合わせて見守り、一緒に楽しみながらSTEAM教育を実践していければ良いですね。