家庭で増える“言葉のすれ違い”を防ぐ方法

子どもの進路を考えるとき、多くの保護者様が感じるのは「まだ何も決まっていない」「このままで大丈夫なの?」という不安です。
将来のことを考えさせたい一方で、焦らせたくもない。その間で揺れるお気持ちは、とても自然なものです。
進路とは、“ある日突然決まるもの”ではなく、“少しずつ形づくられていくもの”。
今回は、保護者様が漠然と感じている不安を整理し、家庭でできる関わり方を3つの視点からお伝えします。

「うちの子、将来何になりたいのか分からなくて不安です」――多くの保護者様が口にされる言葉です。
しかし、実は中学生の段階で進路が明確に決まっている子はごく一部です。
文部科学省の調査でも、「将来の職業を具体的にイメージできている」と答える生徒は約3割程度。残りの多くは“探している途中”です。
大切なのは、“決まっていない”ことを焦らず、“探す行動”を止めないこと。

行動科学では、行動を起こす「きっかけ」と「小さな成功体験」が次の行動を生むといわれます。
進路も同じで、「興味を持ったことに一歩踏み出してみる」経験が、将来の選択を形づくる第一歩になります。
進路の話をするとき、つい「得意なことを伸ばそう」と考えがちです。
でも、“得意=好き”ではなく、“好き=向いている”とも限りません。
行動科学の観点から見ると、子どもの“やる気”や“継続力”を支えるのは「承認」と「楽しさ」です。
たとえば、結果を褒められた教科だけでなく、夢中になって取り組んでいる時間に注目してみましょう。
「これをしているときの表情、いいな」と感じる瞬間こそ、進路選択のヒントです。
保護者様の役割は、正解を示すことよりも、「その姿勢いいね」「挑戦してみたね」と声をかけ、行動を認めてあげること。
そうした関わりが、子どもの自己理解を深め、“自分で選べる力”を育てていきます。

進路に迷いが生まれるのは、「知らないから」でもあります。
高校や職業、大学、社会の仕組み――見聞きする機会が多いほど、子どもの選択肢は広がります。
そのため、今できる最も大切なサポートは、“体験の機会”を増やすことです。
オープンスクールへの参加、ボランティアや習い事、地域の職業体験など、行動を通して得た実感が子ども自身の判断材料になります。
保護者様も一緒に調べたり、感じたことを共有したりすることで、「進路=家庭の対話テーマ」になります。
将来を語る時間が、子どもにとって安心の土台となり、自分の未来を考える習慣を育てるのです。
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