中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
今回は、「テスト勉強に役立つ記憶のメカニズム」についてお伝えいたします。
「学校の小テスト(漢字テスト、単語テスト)は点数が取れるのに、中間、期末テストになると点数が取れない。」
こんな経験のあるお子様は多いと思います。
なぜ定期テストは小テストに比べて点数がとりにくいのでしょうか。
これを考えるためには記憶のメカニズムについて理解する必要があります。
記憶には様々な種類がありますが、その中には「短期記憶」と「長期記憶」があります。
短期記憶とはおよそ20分ほどしか持たない記憶のことです。
例えば、買い物をするとき予算があらかじめ決められていると、
買ったものの金額を頭の中で足していって予算を超えないようにしますよね。
ただ、精算した後は、その都度計算していた合計金額は忘れてしまいます。
それは、無意識のうちに短期記憶を使ってお金を数えているからです。
一方、長期記憶とは長期的に残っている記憶です。
自分や親しい人の名前、住所などずっと覚えている必要のあるものは長期記憶を使って覚えています。
全て長期記憶で覚えることが出来れば良いのですが、そうすると人間の頭はパンクしてしまいます。
日常生活では、パンクすることを防ぐために無意識に短期記憶と長期記憶を使い分けているのです。
では、学習の場面で暗記の必要があるとき、
どのようにして長期記憶を使うことが出来るのでしょうか。
それはずばり、反復練習です。
覚えたての記憶は、よほどの興味がない限り、すべて短期記憶として脳に残ります。
学習においてはその短期記憶を繰り返しインプットすることで、長期記憶にしていく必要があるのです。
具体的には
①問題を解く。
②答え合わせをする。
③勘やうろ覚え、覚えていない問題にチェックをする。
④「なぜ間違えたのか。」「なぜこの答えになるのか。」を理解できるまで確認する。
⑤別の勉強にうつり、30分後、先ほどチェックした問題の間違い直しをする。
⑤の「30分後」というところが重要です。
答え合わせをしてすぐ間違い直しをすると、短期記憶で対応できてしまうため、
本当に長期記憶が出来ているのか確かめることが出来ません。
目標はテストで正しい解答をすることです。
その為には長期記憶で知識を暗記する必要があります。
ただ、理科や社会などの用語を答えるような一問一答形式の問題の場合は、
一回の勉強で30分後に答えられるようになるのはなかなか難しいので、
重点的に繰り返して長期記憶にしていく必要があります。
テスト直前でも、テストまで時間があっても、⑤を大切にして取り組んでいかないと
長期的に覚えることが出来ず、結局点数が取れずに時間の無駄となってしまいます。
テスト直前は、覚えた用語などの「確認」に時間を使いたいものです。
その為に、早い段階で覚えるべきことを長期記憶するのはとても大事なことです。
テスト直前に焦るのではなく、テスト前から一つ一つの暗記を大切に学習に取り組んでいきましょう。