中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
こんにちは。個人指導専門塾の岡田です。
気づけば2018年もあと1か月。
学生のみなさんは定期テストが終わりひと段落しているところでしょうか?
ただ、テスト当日までにせっかく勉強したことをそのまま忘れてしまうのはなんだかもったいないですよね。
そこで今回は、覚えたことを忘れないためのコツとその理論についてお話します。
突然ですが「エビングハウスの忘却曲線」って知っていますか?
エビングハウスの忘却曲線とは、
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが発表した、
時間経過とともに人間が記憶している情報量を数値化したものです。
この研究で、
人間は何かを覚えたときにその記憶を
- 20分後には42%忘れる
- 1時間後には56%忘れる
- 1日後には67%忘れる
- 6日後には75%忘れる
- 31日後には79%忘れる
という結果が出ています。
ここで注目すべきなのは、1日経ったら記憶したことの67%を忘れてしまうということです。
つまり、昨日暗記した問題に今日もう一度答えようとしても、半分以上答えられないということなのです。
それだけ、ほとんどの人間は覚えたものをあっという間に忘れてしまうのです。
しかし、この研究ではこういった記憶の性質も明らかになっています。
①学習に時間をかけるほど、覚えられる量も増える。
②一度目の学習より、二度目の学習の方が簡単になる。
③一度にたくさん覚えるよりも、時間をかけて何度かに分けて覚えた方が、記憶効率が上がる。
考えてみれば当たり前のことのように思えますが、エビングハウスは実験を重ねてこれらの事を学術的に証明したのです。
では、これらの記憶の性質を踏まえたうえで、勉強場面においてどのタイミングで暗記をしていけば良いかをご紹介します。
と言っても、とても簡単です。
「今日学んだことを24時間以内に10分復習する」
これだけです。
例えば何か勉強した後、復習せずに24時間が経過すると、記憶量は30%ほどになってしまいますが、
24時間以内に10分間習ったことを復習するだけで忘れかけていたことがよみがえり、
次の日の記憶量は30%よりはるかに高く維持できると考えられます。
そして、24時間以内にまた同じところを復習すれば、さらに記憶は維持することが出来るようになります。
記憶が維持しやすくなったら、復習するタイミングを徐々に少なくしていきます。
ただ、この方法を継続しようとすると「これは△日後に復習して、あれは〇日後に・・・」
と数が増えてしまい、管理をしていくことが大変になってきます。
このような時には、3色の付箋を使って管理しましょう。
例えば、
明日までに復習するもの・・・赤の付箋
3日後までに復習するもの・・・黄色の付箋
1週間以内に復習するもの・・・青の付箋
と色分けをしていきます。
例えば
社会のテキストP.30を暗記⇒赤の付箋を貼る
⇒ 翌日に復習⇒赤の付箋をはがして黄色の付箋を貼る⇒・・・
といったように管理をしていきます。
もし、付箋がかさばることが嫌であれば、
スマホのアラーム機能やメモ帳の活用、ToDoアプリをインストールして管理することも良いでしょう。
特に受験生の場合、3年間分の情報量を暗記するにあたって、がむしゃらに暗記するより、
このエビングハウスの忘却曲線のことを思い出し、記憶の性質をうまく活用しましょう。
そして、効率よく必要なことを覚えて周りと差をつけていきましょう。