中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
前回は「叱ると怒るの違い」「感情で怒られ続けた子は自己肯定感の低い子になる」といったことをお話ししました。
冷静に叱る大切さが分かっても「いつも冷静に叱れる親なんている?」「子育てをしていないから冷静に叱る難しさを知らないのでは?」「常に冷静に叱るなんて理想論だ」と思う方もいらっしゃるかと思います。
もちろん「常に冷静に叱れる・絶対に感情で怒らない」といった親御さんは、なかなか珍しいと思います。
今回は、感情で怒るのをやめるためにどうすればいいのかを一緒に考えてみましょう。
感情で怒ってしまう親が悪いわけではない
誰でも怒られたくありませんし、怒りたくはありませんよね。
感情的に怒ったあとは、親御さん自身の心もダメージを受けているものです。
ですが、しっかり「しつけ」をしようと思うあまりに、感情的に怒ってしまうことだってありますよね。
「感情的に怒ってしまう私は、親失格?」「つい感情的になってしまう私がいけないの?」
そんな風に、自分を責めてしまいたくなる気持ちも分かります。
でも、答えは「NO」です。
親といえども、人間です。喜怒哀楽の感情があるのは当然。
勉強をしない子が効率の良い勉強の仕方を分かっていないように、感情で怒ってしまう親御さんは子どもの叱り方や感情のコントロールのやり方を分かっていないだけなのです。
当塾塾長の松田新士の著書「子どもを伸ばす技術」のなかに
“子どもの自己肯定感をなかなか高めることができないのはなぜか?
それは多くのお親御さん自身が自己肯定感を高められて育った経験がないからです。”
といった言葉があります。
冷静に叱られて育った経験のない親御さんは、どのようにしたら冷静に叱れるのかが分からないのは当然です。
子どもへの叱り方について考える上で、分かっていてほしいのは「今まで感情的に怒っていた親御さんが悪いわけではない」ということ。
感情で怒るをやめるには
感情で怒るのをやめるためには、相手に「何を・どう伝えるのか」を考えるのが大切です。
怒りを子どもにぶつけてしまうと、本来の「しつけ」にはならなくなってしまうからです。
感情で怒らないように、親御さん自身が感情をコントロールする必要があります。
これを【アンガーマネジメント】といいますが「絶対に怒らないこと」ではなく「怒る必要のあること」と「怒る必要のないこと」を線引きするのです。
たとえば、小さい子どもが道路に飛び出そうとしているときに、冷静に「道路に出ないでね」「白線の内側にいなきゃダメだよ」と言っている場合ではありませんよね。
「止まって!」「ストップ!」などと大声で止めるのが正解です。
このようなときは、冷静さを保つ必要はありません。子どもが生命の危機にさらされるようなことは、親御さんも感情的になっても良いのです。
そして「○○くん(ちゃん)がケガしたら、お母さんは悲しい」と伝えてあげましょう。
小学生高学年や中学生がいるご家庭では、ほとんどが「感情的に怒る必要のないこと」です。
ケガの危険性があるか・命の危険にさらされるようなことか、を一つの基準として、それ以外は冷静にお子様を叱るようにしましょう。