家庭で増える“言葉のすれ違い”を防ぐ方法

「まだ小学生なのに、将来の夢を聞かれることが増えてきた」「中学生になったら、いきなり進路の話が多くなって戸惑う」――そんな声をよく耳にします。
進路に対する考え方は、発達段階によって大きく変わります。
大切なのは、年齢に合わせて“考えさせ方”と“大人の関わり方”を変えていくこと。
今回は、小学生と中学生それぞれの特徴を踏まえながら、家庭でのサポートのヒントをお伝えします。

小学生の時期に大切なのは、具体的な将来像を決めることではなく、「自分が好きなこと」「楽しいと思えること」を見つける経験を増やすことです。
行動科学では、行動の継続を支えるのは“外的なご褒美”よりも、“内的な楽しさ”だとされています。
たとえば、絵を描くことが好きなら、上手い下手より「描くこと自体が楽しい」感覚を大事にしてあげること。
この段階では、“興味を持ったことを試してみる”経験の積み重ねが、のちの「やってみたい」「挑戦してみたい」という意欲の土台になります。
保護者様は、“結果を評価する”よりも、“行動を認める”ことを意識するのがポイントです。
中学生になると、社会や将来への視野が少しずつ広がり、「自分で選ぶ」という意識が芽生えます。
しかし同時に、「失敗したくない」「自分には無理かも」といった不安も強くなる時期です。
この時期に有効なのは、「考えを引き出す質問」です。
たとえば「どんな高校に行きたい?」ではなく、「どんな環境なら頑張れそう?」と聞く。
答えが出なくても構いません。考える過程そのものが“自己理解”につながります。
また、行動科学の視点では、“選択した行動を承認される”ことが次の行動を強化します。たとえ進路選びに迷っていても、「考えてみたこと自体」を認めてあげる姿勢が、子どもの自立心を育てます。

小学生と中学生では進路に対する意識は大きく違いますが、共通して大切なのは“対話を絶やさないこと”です。
「何になりたい?」と尋ねるよりも、「最近気になることある?」という問いかけの方が、自然に話が広がります。家庭の中で、進路を“話しやすいテーマ”にしておくことが、子どもの安心と意欲を育てる鍵です。
進路は、今の行動と未来をつなぐ架け橋。
小学生のうちは“好奇心を広げる”、中学生では“自分の軸を育てる”。その段階ごとの関わりを通じて、子どもたちは少しずつ「自分の未来を考える力」を身につけていきます。
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