「あんなにやったのに成果が出ない」勉強のやる気が下がってしまうのはなぜ?対処法は?

机に向かう姿を見て「やっとやる気になったのかな」と安心したのに、テストの結果が思うように出ずがっかり──そんな経験はありませんか。
実はこの時期、頑張っているように見えて前に進んでいない”お子様が少なくありません。
ノートを写すことやページをめくることが目的となり、学んだつもりで終わってしまう。「勉強した」という満足感だけが残ります。
これは努力が“錯覚”にすり替わる典型的な現象。気づかないまま進むとあんなにやったのに成果が出ない」という不信感を生み、やる気を奪ってしまいます。では、どうすれば良いのでしょうか。

努力の錯覚が起こる理由

原因は「ただの作業が勉強に見えてしまうこと」です。
ノートを写したり、教科書を眺めたりすると、手も目も動いているので勉強が進んだ気になります。でも頭の中では、肝心の「思い出す力」が働いていません。
さらに、その場で確認テストをしないと、「見慣れた=理解できた」と思い込む錯覚が起こります。
つまり時間をかけた=学んだ」と勘違いしやすい。それが家庭学習でよく起こる仕組みなのです。

保護者様も巻き込まれる不安

この“努力の錯覚”はお子様だけでなく、見守る保護者様にも影響を及ぼします。お子様が机に向かっているのに点数に表れないと、保護者様も「本当に大丈夫だろうか」と不安になるものです。
その不安は言葉や表情の端々に表れやすく、無意識のうちにお子様へ伝わってしまいます。するとお子様は自分はできていないのかもしれない」と感じやすくなり、「どうせやっても…」という気持ちを強めてしまうのです。
こうして親子双方の不安が響き合い、悪循環を生んでしまいます。

行動を“見える形”にする

ではどうすれば良いのでしょうか。答えは「結果」ではなく「行動」に注目することです。
点数や順位はテストが終わるまで見えませんが、日々の行動はその場で確認できます。
例えば「今日は英単語を10個言えた」「ワークで間違えた問題を自分で直せた」といった小さな行動を、保護者の方はしっかり認め、褒めてあげてください。
ここで大切なのは、量だけでなく“できるようになった瞬間”を見つけて伝えることです。
行動科学では、行動がすぐに認められると次の行動が起こりやすいと言われています。つまり、テスト本番を待たずに「やった意味がある」と実感できる仕組みを、家庭の中に作ることができるのです。

安心をくれる大人のまなざし

勉強は「やったかどうか」ではなく「どんな行動を積み重ねたか」で変わっていきます。
周りの大人が小さな一歩を見つけて認めてあげることが、点数以上に大きな安心と自信につながります。
保護者様の一言や表情が、お子様にとっては大きな励ましになります。
焦る気持ちがある時期だからこそ、温かく見守ることが、次の行動を生み出す力になるのです。次回は、そのために家庭で今日からできる具体的な工夫をお伝えします。

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