秋から伸びる子がやっている――実力を引き上げる学習法【受験生向け】

基礎の“穴”をふさぐ時間を確保する

実力を伸ばす第一歩は、知識や理解の土台を固めることです。

特に受験生の場合、夏までの勉強で抜け落ちた単元や理解が曖昧な部分をそのままにすると、秋以降の応用問題に太刀打ちできません。

過去問や模試の間違い直しから、頻出にもかかわらず正答できなかった問題を洗い出し、そこに戻って基礎を復習する時間を計画に組み込むことが重要です。

土台が安定すれば、新しい知識も吸収しやすくなります。

問題を解くだけで終わる学習は、実力の定着につながりにくいものです。

解いた直後に間違いを直すだけでなく、翌日・1週間後・1か月後と、複数回復習するサイクルを意識すると記憶は長く保たれます。

例えば、間違えた問題には日付を書き込み、同じ問題を解くタイミングをスケジュールに入れる。忘れる前に再び挑戦することで、「解けたはずなのに忘れていた」という状態を減らし、知識を安定させられます。

過去問演習は受験対策の要ですが、単なる点数確認にとどめるのはもったいない使い方です。

時間配分の感覚をつかむことはもちろん、問題ごとの難易度や出題傾向を見極めることで、どの問題から解くべきか、どこで粘るべきかの判断力が磨かれます。

さらに、間違えた問題を「知識不足型」「ケアレスミス型」「時間切れ型」に分類し、それぞれの原因を解消する練習を繰り返すことで、本番での失点を減らせます。

苦手科目は長時間まとめて取り組むよりも、短時間を繰り返すほうが定着しやすく、心理的負担も軽くなります。

例えば英単語暗記や理科の用語確認は、1回10〜15分でも効果的です。毎日少しずつ繰り返すことで、「苦手だから後回し」という悪循環を防ぎ、徐々に得点源へと変えていけます。

実力を伸ばす勉強法のポイントは、
「基礎を固める」「復習サイクルを回す」「過去問を分析して使う」「苦手を少しずつ克服する」
という4つに集約されます。

やみくもに時間を費やすよりも、意図を持った勉強を積み重ねることが、入試本番での力につながります。

秋から冬へ、限られた時間を最大限に生かすために、学びの質を一段高めていきましょう。