中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
こんにちは、個人指導専門塾の三井です。
いよいよ今回は読書編最終章です!
今回は、読書の習慣が身についてきたら、
次のステップとしてお子様にやってもらいたいことをお話しします。
それは、読んだ本の内容をアウトプットする機会を設けてあげるということです。
例えば夏休みには、どの学校でも読書感想文が宿題で出されますよね?
読書感想文を書いてもらうのにはきちんとした理由があります。
読書感想文を書くということは、読んだ本の内容を咀嚼し自分なりに理解をして、
それをまとめたうえで自分の言葉でアウトプットするという訓練になります。
自分の言葉で何かを伝えるという力は非常に大切です。
今では愛知の高校公立入試の英語でも自由英作文
(何かのお題に対して自分の考えを英語で記述する)が出題されるなど、
国語以外の科目でも必要になってきています。
また、2020年度からセンター試験の出題形式が、
全てマークシート式だったものに記述式の問題が導入され、
「書く」力が重要視されるようになってきています。
この「書く」力、暗記物と違ってどうしてもすぐにググっと力が付くものではありません。
ですので、日頃からの小さな訓練で少しずつ力を付けていく必要があります。
しかし、だからといって1冊読み終わるたびに読書感想文を書いてもらうのは、
「書く」ことが苦手な子にはいくら短い文章だとしても、
どうしても苦痛に感じてしまうかもしれません。
そこで、そういった子にはまず第一歩として、
本を読み終わったら『どんな話だったか、あらすじを聞いてみる』ということをしてみてください。
読書感想文を書くことや、「書く」力を養うことには関係がないように思うかもしれません。
ですが、これだけでも効果はあります。
文字に起こしこそしませんが、子どもは読んだ本のあらすじを伝えようと頭の中で要約し、
どう伝えたらいいのか構成を考えます。
この文を組み立てる構成力が、「あらすじを人に伝える」という行動を重ねていけば少しずつ身についていきます。
そして、できれば読み始める前に、「読んだ後にどんな内容だったか教えてね」と
伝えておくとその子もそのつもりで読むので答えやすくなります。
実際に、私の教室の生徒の中に、新聞を毎日読んでいるのに国語の文章問題が嫌いな生徒がいました。
そこで、彼に対して授業のたびに今朝読んだ新聞の内容を聞くということを続けてみました。
今まで「新聞を読む」というインプットしか行わなかった中に、
「人に伝える」というアウトプットの行動を作ってあげたところ、
少しずつですが文の組み立て方が上手くなっていき、国語の点数も少しずつ上がっていきました。
もちろん彼が国語の勉強をきちんと頑張り続けた成果でもありますが、
「前より文を書くのが楽になった」と話してくれたので、しっかり効果もありました。
この「どんな話だったか、あらすじを聞く」という行動は、読書感想文などよりもハードルが低く、
子どもから拒否感も持たれにくいので、是非試してもらえたらと思います。