中学生のテスト勉強を応援!行動科学を使った声かけ方法とNG例
前回はストレスとは何かや、ストレスの構成要素などについてお話しました。
今回は、ストレスに上手く対処する方法である「ストレスコーピング」についてお話します。
ストレスコーピングとは?
ストレスコーピングとは、ストレスの原因(ストレッサー)に上手く対処しようとすることを言い、大きく3つに分けられます。
1つ目は「問題焦点型コーピング」。直面している問題の原因(ストレッサー)に直接働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすることです。
例えば、友人関係で悩んでいる場合に、その友人に直接働きかけて問題を解決するような場合が当てはまります。
2つ目は「情動焦点型コーピング」。ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、問題に対する考え方や感じ方を変えようとする方法です。
例えば、勉強しているのに結果が出ず、自分は勉強ができないんだと悩んでいる場合、これから結果が出てどんどん伸びていくんだと考え方を変える時などが当てはまります。
3つ目は「気晴らし型コーピング」。ストレスを受けた後にいわゆるストレス解消をする方法です。
例えば、嫌なことがあったときにスポーツをしたり本を読んだりするなど気分転換をすることで、多くの方が実践している方法でもあります。
ストレスコーピングの活用方法
ストレスに上手く対処するには、自分がストレスを感じたときにどんな行動をするのか、どんなことをするとストレスが解消されるのかを知ることが大切です。
子どもは不安や焦りなどを感じていても、それを上手く言語化できないことがあります。
なんだか気持ちが落ち着かないな、イライラするなと感じた時には、どうしてこんな気持ちになるんだろうと考えてみることから始めましょう。気持ちを言葉にできるだけでも、ずいぶんとスッキリします。
保護者の方は、お子さまの様子を観察して、「最近○○な様子だけど、困っていることはある?」などと声かけができると、良いサポートになるでしょう。
また、ストレスコーピングの種類をたくさん持っておくと、自分の気持ちを持ち直す助けになります。イライラしているときは軽い運動をする、気持ちが落ち込んでいるときは人に話して違う考え方をしてみるなど、自分に合った方法をたくさん見つけられると良いですね。
◎参照
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会「ストレスとは」https://www.japa.org/mental_health/stress/
厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供]「ストレスコーピング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-068.html
厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス「ストレスって何?」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html
坪井 康次 東邦大学医学部心身医学講座「ストレスコーピング-自分でできるストレスマネジメント-https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/6/2/6_2_2_1/_pdf